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ちょっと気になる英文法 [言語学]

私が担当する高2では、文法・語法の問題集として、桐原のNext Stageを持たせています。類書を色々見た中で、指導者として自分が使いやすそうという、甚だself-centredな理由で採択しました(生徒の皆さんゴメンナサイ)。そのなかに、次のような問題が掲載されています。

  Five months (   ) time to carry out the plan.
     (1) are too a short             (2) are too short a 
     (3) is too short a               (4) is too a short

さて、どれを入れましょう…一応、正解は(3)です。

正解の根拠は、「時間・金額・距離・重量を表す語が主語の場合、形は複数形であっても単数扱い」(あとは、「too+形容詞+ a +名詞」)とされています。たいていの文法書にある解説のとおりで、これについて異論はまったくありません。

、果たして、先に挙げたような語法問題で正誤を問うような絶対的な規則といえるのかどうか、私には疑問です。

というわけで。いま目の前にあるPEU(3rd)をさっと調べてみると、このような説明と例が示されています。

Amounts and quantities: When we talk about amounts and quantities we usually use singular determiners, verbs and pronouns, even if the noun is plural.
 ・ Where is that five pounds I lent you? (NOT Where are those five 
     pounds...?)

 ・ Twenty miles is a long way to go.
 ・ We’ve only got five litres of petrol left. ~ That isn’t enough

'usually use...'といっているところが何ともいえませんね。それに、最初のwhereの例には、誤用例が載っているのに、残りの2つについては、どういうわけか複数の形についての言及がありません。何故なんでしょうか…。

この用法について、我が心の拠り所、「英文法解説 改訂三版」の記述を要約すると、

単数に扱われる数量の複数表現: まとまって1つの単位とみなされる。
 例)Forty miles is a good distance./ Twelve years is old for a dog.

時の経過を言う場合、years, months, days, hours などは、複数で扱われる。
 例)Five years have passed since he left home.

ここまでは、ごく基本的な内容なのですが、注釈(解説)として、

ただし、次のような例は10日という実数を問題としており、複数扱い。
例)If you have German measles, ten days are necessary to recover.

という指摘が見られます。「ロイヤル英文法(改訂新版)」にも同様の記述があって、

実際に支払われる金額や経過年数の数量そのものに関心がある場合には、動詞は複数形を用いることがある。
 例)Three dollars were paid for the old coin. / The first five years are
     the hardest.

以上、手近にあるレファレンスしか参照していませんが、これらの記述から、「基本は単数扱いであるが、実際に単複どちらを選ぶかは、話者の関心や文脈に依存している」ということぐらいは言えそうです。

これを確認するため、ネット上にある実例で、ある程度信頼の置けそうなテクストを2つ見てみることにしましょう。1つ目は、CNNより。

"Beyond three days, there are some suggestions that it could make a turn and head north. But three days are a long time in the weather world," Blake said. 
 (出典:http://edition.cnn.com/2002/WEATHER/09/22/isidore/index.html

この例では、「3日間」という実数が文脈上重要なわけで、複数扱いということなんでしょう。同様の例として、カナダの某大学の学部長挨拶を引いておきます。

Recently our Department has celebrated its 25th year of existence. Twenty-five years are a long time in computer technology. In just these 25 years, the power of computers has increased 100,000-fold. Computer technology, software and hardware, has now invaded nearly all areas of human activity. 
 (出典:http://www.mun.ca/computerscience/head_message.php

このほかにも様々な例を発見することができ(とはいえ、googleを使った簡単なリサーチなので、細かい点については個々の事例を精査しなくてはいけませんが)、「複数扱い」が現象として存在していることは確認できました。

さて、ここで最初に挙げた文法問題に戻りましょう。Five months is too short a time to carry out the plan. この問題文において、選択肢の'are too short a...' は完全に「誤り」としていいのでしょうかねぇ…。


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